すぐに使えるデータを探すのは、想像以上に手間がかかります。
Webで見つかる情報が一括利用に適しているとは限りません。ダウンロードしたファイルの文字コードが乱れていたり、項目名が統一されていなかったり、説明が不足していたりすることもあります。ようやく見つけた過去の市場データが、数十ページに分散しているケースも珍しくありません。プログラム開発やレポート作成、論文執筆、データ分析、AIプロジェクトを始めると、多くの時間がデータ探しや形式変換、項目のクレンジングに費やされてしまいます。
そこで今回、ToolKKデータセットマーケットを正式にリリースしました。
第1弾として、18種類のデータセット、約5,907万件のレコード、249個のデータファイル(合計約4.6 GB)を公開。金融市場データ、行政区画、地図境界、世界の都市・空港、祝日、郵便番号、マクロ経済など、幅広い用途をカバーしています。
目指しているのは、単なる“ファイルのダウンロードページ”ではありません。各所に分散したデータを整理し、プレビューや項目定義を確認したうえで、必要な分だけ取得できるデータサービスです。
データセットマーケットでできること
1. ダウンロード前にサンプルを確認
公開中の各データセットには、サンプルプレビューを用意しています。詳細ページで実際のデータの一部を確認し、項目や内容、形式が用途に合っているかを判断してからダウンロードできます。
ファイル名だけを見てダウンロードしたものの、必要な項目がない、データの粒度が違う、そのままでは利用できない、といった失敗を減らせます。
2. 項目定義をその場で確認
各データファイルには、ファイル名、形式、サイズ、レコード数に加え、項目名、項目の意味、データ型をまとめたデータ辞書を掲載しています。
たとえば金融日足データでは、銘柄コード、銘柄名、取引日、始値、高値、安値、終値、出来高、売買代金を確認できます。地理データでは、行政区画コード、緯度・経度、地域区分などを掲載。コードを書いたりデータベースへ取り込んだりする前に、列名を推測する必要がありません。
3. 大容量データを年・ファイル単位で取得
過去の市場データには、十数年から30年以上にわたるものもあります。必要な期間が限られている場合、全期間をまとめてダウンロードする必要はありません。
ToolKKでは、金融市場データなどの大容量データセットを年ごとのファイルに分割しています。同じデータセットのページで年を切り替え、プロジェクトに必要な分だけ取得できるため、ダウンロード量と後工程の負担を抑えられます。
4. 整形済みデータを一般的な形式で提供
現在は主にCSV、XLSX、GeoJSONなどの一般的な形式で提供しており、次の環境ですぐに利用できます。
- Excel、WPS、ピボットテーブル
- Python、pandas、R、Jupyter Notebook
- MySQL、PostgreSQL、ClickHouseなどのデータベース
- ECharts、Mapbox、Leafletなどの可視化ツール
- 機械学習、クオンツ分析、AIデータ処理
データセットごとに内容に適した形式を採用しています。実際のファイル形式、サイズ、項目は詳細ページでご確認ください。
5. 無料・会員限定・ファイル単位購入に対応
データセットによって整備コストや更新頻度が異なるため、複数の入手方法を用意しています。
- 無料ファイルはログイン後すぐにダウンロード可能
- 会員限定データは有効な会員アカウントでダウンロード可能
- 大容量の過去データは、年・ファイル単位で匠コインを使って購入可能
- すべてのデータセットでサンプルと項目情報を事前に確認可能
各データセットまたはファイルの入手方法はページ上に明記しています。価格、会員特典、更新状況の最新情報は、データセットの詳細ページをご確認ください。
現在公開中のデータセット
第1弾の18種類を用途別に紹介します。名称をクリックすると、詳細、項目、サンプルを確認できます。
1. 金融市場の過去データ
現在最も充実しているカテゴリで、全10種類のデータセットを収録しています。主に標準的な日足形式で、クオンツ分析、戦略バックテスト、金融教育、論文分析、データ可視化、機械学習の特徴量作成に活用できます。
1. 中国A株(上海・深圳・北京)日足データ(1990年—2026年)
中国A株(上海・深圳・北京)日足データは、上海証券取引所、深圳証券取引所、北京証券取引所のA株上場企業を収録しています。メインボード、ChiNext、STAR Market、北京証券取引所を含み、現在のレコード数は約1,664万件です。
年ごとにファイルを分割しており、個別銘柄の値動き分析、市場全体からの銘柄選定、ファクター分析、クオンツ戦略のバックテストに適しています。
2. 中国A株指数(上海・深圳・北京)日足データ(1990年—2026年)
中国A株指数(上海・深圳・北京)日足データは、代表的な総合指数や市場指数を含む主要株価指数の過去データを収録し、現在約51万件のレコードを提供しています。
市場全体のトレンド、指数間の相関、ボラティリティ、マーケットタイミング戦略、ベンチマークリターンの分析に適しています。
3. 中国上場ファンド日足データ(2005年—2026年)
中国上場ファンド日足データは、上海・深圳証券取引所に上場するETFやLOFなどを収録し、現在約233万件のレコードを提供しています。
ファンドの過去実績分析、ETFローテーション、アセットアロケーション研究、ファンド分析ダッシュボードの作成に活用できます。
4. 中国上場債券日足データ(2006年—2026年)
中国上場債券日足データは、上海・深圳証券取引所に上場する国債、社債、転換社債などの過去の日足データを収録し、現在約42万件のレコードを提供しています。
債券価格の分析、転換社債分析、債券教育、マルチアセット運用のバックテストに適しています。
5. 中国先物日足データ(2010年—2026年)
中国先物日足データは、上海先物取引所、大連商品取引所、鄭州商品取引所、中国金融先物取引所、広州先物取引所、上海国際エネルギー取引所の6市場をカバーし、現在約32万件のレコードを提供しています。
商品先物の分析、銘柄間相関、トレンドフォロー戦略、先物取引戦略のバックテストに活用できます。
6. 香港株・株価指数 日足データ(2000年—2026年)
香港株・株価指数 日足データは、香港市場の上場銘柄と主要株価指数の過去データを収録し、現在約887万件のレコードを提供しています。
香港株の個別銘柄分析、ハンセン指数シリーズの分析、市場間比較、過去の値動きの可視化に適しています。
7. 米国株日足データ(2000年—2026年)
米国株日足データは、NYSEやNASDAQなど米国市場の上場企業をカバーし、現在約2,958万件を収録しています。公開中のデータセットでは最大のレコード数です。
米国株のバックテスト、業界分析、銘柄スクリーニング、市場統計、機械学習モデルの学習に適しています。
8. FX日足データ(1999年—2026年)
FX日足データは、EUR/USD、USD/JPY、AUD/CADなど主要127通貨ペアを収録し、現在約8万件のレコードを提供しています。
為替トレンド、通貨ペア間の相関、ボラティリティ分析、FX戦略のバックテストに活用できます。
9. 暗号資産日足データ(2020年—2026年)
暗号資産日足データは、BTCやETHなど主要な暗号資産の過去の日足データを収録し、現在約5.5万件のレコードを提供しています。
暗号資産の価格分析、銘柄間比較、ボラティリティ研究、取引戦略の検証に適しています。
10. 世界株価指数・原油・金 日足データ(2020年—2026年)
世界株価指数・原油・金 日足データは、世界の主要株価指数、原油、金などの現物・先物相場を収録し、現在約5万件のレコードを提供しています。
世界市場の連動性、株価指数とコモディティの相関、マルチアセット戦略のバックテストに活用できます。
2. 行政区画・地理基礎データ
住所の正規化、地図開発、地域分析、物流・旅行サービスに加え、業務システムのマスターデータとしても利用できます。
11. 中国行政区画コード一覧(2026-04)
中国行政区画コード一覧は、省、市、区・県、郷・鎮・街道の4階層の行政区画コードと名称を収録し、現在42,876件のレコードを提供しています。
住所フォームの連動選択、住所表記の正規化、行政コードの変換、地域別集計、業務データベースの初期マスター作成に適しています。
12. 中国省・市・区県境界 GeoJSON(2026-04)
中国省・市・区県境界 GeoJSONは、中国全土の省、市、区・県という3階層の行政境界を収録しています。空間要素は3,660件、ジオメトリタイプはMultiPolygonです。
ECharts、Mapbox、Leafletによる行政区画地図、コロプレスマップ、地域ヒートマップの作成に加え、地点の所属地域判定や空間分析にも利用できます。
13. 中国郵便番号データベース
中国郵便番号データベースは、中国本土の県級行政区に対応する約2,300件の郵便番号を収録しています。郵便番号、地名、省、市、区・県、緯度・経度を含みます。
郵便番号と地域名の検索、住所チェック、物流フォーム、地図上の位置特定に適しており、中国行政区画コード一覧と組み合わせて利用できます。
14. 世界の国・地域コード一覧
世界の国・地域コード一覧は、世界250の国と地域について、ISO 3166の2文字・3文字コード、数字コード、通貨コード、国際電話番号、首都、地域区分、中心地点の緯度・経度をまとめています。
多言語サービスの国選択、通貨・国番号の対応付け、国名の正規化、グローバル事業における地域ディメンションの設計に活用できます。
15. 世界の空港コード一覧
世界の空港コード一覧は、世界の空港・離着陸地点8.5万件以上を収録しています。IATAの3レターコード、ICAOの4レターコード、空港種別、名称、国、都市、緯度・経度、標高を含みます。
旅行サービス、空港検索、物流分析、航空路線の可視化、空港コードの対応付けに適しています。
16. 世界都市データベース
世界都市データベースは、人口1.5万人以上の世界約3.3万都市を収録しています。都市名、国・行政区コード、人口、緯度・経度、タイムゾーンを含みます。
都市選択やオートコンプリート、地図へのプロット、人口地理分析、タイムゾーン変換、最寄り都市の検索に活用できます。
3. 公共カレンダー・マクロ経済データ
17. 中国の法定祝日・振替出勤日(2007—2026年)
中国の法定祝日・振替出勤日は、中国国務院弁公庁が公表した各年の休日予定をもとに、日付、祝日名、休日・振替出勤の区分、曜日を整理したデータです。
営業日計算、勤怠・シフト管理、支払期日の繰り延べ、予約システム、ECの販促カレンダー、プログラム上の祝日判定にそのまま利用できます。
18. 世界各国の年次GDP(1960年以降)
世界各国の年次GDPは、世界銀行の公開データをもとに、1960年以降の世界各国・地域の名目GDP(米ドル)を“国・地域 × 年”の縦持ち形式で整理しています。
世界各国の経済規模比較、国別ランキング、成長推移の可視化、マクロ経済研究、教育、論文分析に適しています。利用時は、詳細ページに記載されたCC-BY 4.0のクレジット表記要件に従ってください。
データセットマーケットの使い方
利用手順は簡単です。
- データセットマーケットを開き、目的のデータセットを選択します。
- 詳細ページで概要、レコード数、ファイル数、形式、データソースを確認します。
- データ辞書を確認し、項目構成がプロジェクトの要件に合うか判断します。
- 無料サンプルでデータの内容と品質を確認します。
- 複数年にわたるデータは、必要な年またはファイルを選択します。
- 画面の案内に従い、ログイン、会員特典、または匠コインを利用してファイルを取得します。
- ダウンロード後、Excel、Python、R、データベース、可視化ツールへ取り込めます。
こんな方におすすめ
- 開発者:住所選択、国番号、空港検索、祝日判定、地図機能に必要な基礎データとして
- データアナリスト:市場、地域、人口、マクロ経済、事業分析のレポート作成に
- クオンツ・金融研究者:年別に整理された株式、ファンド、債券、先物、FX、暗号資産の日足データ取得に
- 学生・教員:授業課題、卒業論文、統計分析、データ可視化の教材に
- AI・機械学習エンジニア:特徴量設計、時系列分析、モデル実験のデータソースに
- プロダクト・運用担当者:都市、空港、祝日、国・地域などの業務マスターや運用ダッシュボードの構築に
データソースとライセンスについて
各データセットの詳細ページには、データソース、ライセンス、更新日を記載しています。公開データであっても、利用条件を無視できるわけではありません。パブリックドメインのデータもあれば、MITやCC-BY 4.0などのライセンスが適用されるデータもあります。利用・再配布の際は、出典やクレジットの表示を含む各ライセンスの要件に従ってください。
金融市場、行政区画、公共情報のデータは、今後更新される場合があります。投資判断、法令遵守、本番環境での住所確認など重要な用途では、必ず公的機関や一次情報と照合してください。ToolKKが提供するデータは、主に研究、開発、教育、一般的なデータ分析を目的としており、投資助言ではありません。
おわりに
データセットマーケットは、スタートしたばかりです。今回公開した18種類は、その第1弾にすぎません。
今後も、利用頻度が高く、実用的で、構造の分かりやすいデータを追加するとともに、サンプルプレビュー、項目説明、バージョン更新、ダウンロード体験を改善していきます。使えるCSVや過去の市場データ、地域マスターを探すのに苦労している方は、ぜひToolKKデータセットマーケットをブックマークしてください。
次のプロジェクトでは、データ探しに費やす時間を減らし、本来の分析、開発、創造により多くの時間を使っていただければ幸いです。
